人間関係・交流分析(TA)
- ehime-db
- 2018年6月1日
- 読了時間: 3分
もう15年も以上前、祖父の遺志を継ぐべく医道を目指した経緯がある。
(今更ながら1校受かってた大学を進めなかった・進まなかった事には後悔しているのだが・・・)

精神身体医学(今で言う心療内科)が日本で初めて体系化された九州大学の池見酉次郎氏の著書に触れ、福岡の地で勉学を重ね、いろいろなタイミングが重なり九州大学医学部心身医学第三代目教授:久保千春氏に出会う事となる。
現在、九州大学第23代総長をである。
精神身体医学に当時興味を持っていた私は、理念を具現化している教授に感銘を受け、学問に更に傾倒することとなる。
もともとエリック・バーンの『人生ゲーム入門:人間関係の心理学』は以前より読破していたのであるが、交流分析学会ではよくこの「ゲーム」というのが登場する。
相互理解や相互尊重といった方向のコミュニケーションから遠ざかっていく『他者への優越や他者の支配』といった自尊心や優越欲求のぶつかり合いの競合的支配的コミュニケーションの悪循環にはまり込んだ場合には、お互いにCPの自我状態を全開にして相手の過失や未熟な部分を探し出して叩こうとするので、どれだけ会話を重ねても相互理解は進展せず、相手へのマイナス評価が高まるばかりとなってしまう。
また、相手と接触して言葉を交わす度に、自分だけがフラストレーションを募らせ、相手への怨恨や怒りといった否定的感情を蓄積してしまっているような対人関係のケースでは、自己中心的で押し出しと自己主張の強い相手に一方的に付き合わされていて、自分の感情表現や自己主張を過度に抑圧して機嫌を取ったり、無理に適応しているため、まずそれに対する「気づき」が重要になってくる。
ゲーム分析(Game Analysis)
人間関係のトラブルや対立・喧嘩を生み出しやすい交流で、『相手を自分の思惑通りに操作してやろう』という裏面の意図を持つ非生産的で破滅的な交流パターンを『ゲーム』と呼ぶのであるが、非生産的でかつ破壊的な交流パターンが続く場合、私はそのゲームから離れることにしている。
なぜなら、ゲームは、カープマンが提示したドラマの三角的役割配置とされる『被害者・加害者・援助者』の三者の役割を演じる人間が存在する事によって、混乱の度合いを深めて、容易に抜け出せない過熱した対立関係に行き着く事になるからである。
ゲームの法則には、必ず隠れた動機というものが存在する。
①自分が相手を否定して拒絶している事を、現実的な不快感を与えることで証明して思い知らせたい。
②自分のゲーム的交流のパターンにはまりそうな相手を探し出して、自分は“仕掛け人”となって、相手が反撃や否定的な反応をしてきそうな“罠”を仕掛ける。
③相手の人格を否定する発言や中傷をしたり、相手の価値観を軽視して馬鹿にしたり、相手の悩みの内容や問題意識を取るに足らないものであるとして非難したり、茶化したりして、相手の存在価値や行動の意味を“値引き”しようとする。
この誹謗中傷や攻撃的言説による『相手の値引き』こそが殆どの不毛なゲームの入り口となる。
エリック・バーンの名言に、
【過去と他人は変えられない。しかし、いまここから始まる未来と自分は変えられる。】
というものがある。
不毛な非生産的でかつ破壊的な交流パターンが続く場合のアンチテーゼは、
「ゲームに乗らない」これに尽きる。
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